健康について 食事療法
より豊かに生きる
現在、1年に70万人の人が死んでいます。
そのうちの、10人に7人くらいが成人病です。
成人病の代表的なものは、癌・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病。
なんと、4人に一人が癌で死んでいます。 80歳まで生きている人の平均で、2人に1人は、癌にかかっています。
こわいですねー。
成人の10人に一人が糖尿病。 成人病とは食源病であると言われています。
きちんと食べているつもりなんだけど、実際はそうではなかったんですね。
きちんと食べてないとなぜ病気になるか
人間は約200日で体の全ての細胞が入れ替わります。(臓器により様々であるが平均するとこの値になる。) 毎日、50億個の細胞が死に、50億個の細胞が生まれます。 200日間カップヌードルばかり食べていると、カップヌードルでできた体になっちゃうんです!!
電球は毎日少しずつ暗くなって行きますが、それを毎日見ていても暗くなっているのが分からないんですね。 人間の体も同じです。
昨日まで元気でいきなり死ぬのは、事故の時だけです。年齢と共にだんだん元気がなくなって死を迎えます。
平均寿命が伸びたと言われると、何だか自分たちが長生きできるようになったと勘違いします。
平均寿命とは、0歳児の平均余命のことで、我々がそこまで生きられると言うことではないんです。
これは統計処理上のことで、新生児死亡率が激減したからその数字が出ているんですね。
今の小学生には、糖尿病等の成人病が流行っています。このままほっておくと、もっと早い時期に死んでしまいます。
五大栄養素
車に例えると、
1 | 炭水化物 | ガソリン |
2 | 脂肪 | ガソリン |
3 | 蛋白質 | ボディ |
4 | ミネラル | オイル |
5 | ビタミン | オイル |
食生活の欧米化により、体に入る栄養のバランスが次のように崩れてしまったのです。
栄養のバランス | 五大栄養素+1 | ||||||
炭水化物 | ビタミン | ミネラル | 脂質 | 蛋白質 | 繊維 | ||
摂取量 | 過剰 | ** | ** | ||||
適量 | --------------------- | ||||||
不足 | ** | ** | ** | ** |
車に乗っていて、ガソリンが無くなったら、ガソリンスタンドに行って、ガソリンを補給します。
でも、オイルが少なくなっている時に、オイルの代わりにガソリンを入れてくれとは言いません。
しかし、食生活では、おなかが空いてしまったときに、炭水化物と脂肪はどんどんとりますが、ビタミン・ミネラルはとっている気になっていただけで、実は、不足していたんです。
カリフォルニア大学の調査によると、ビタミンバランスの善し悪しで、
25才 ±5才
40才 ±10才
60才 ±20才
の肉体年齢の差が出るそうです。
同窓会に行ったときに、今日は何だか先生が多くいらっしゃっているなと思って良く見たら、同級生だったという事にならないようにしましょう。
小中学生の頃、廊下を走るなと良く言われましたね。じつは廊下というのは老化だったんです。
先生は実に深いお話をされていたんですね。
なぜ不足してしまうのか
その1
「一日に30品目の食品を食べよう」と厚生省が提唱していますが、1992年に商品科学研究所が行った調査では、平均で19.4品目であり、30品目食べていた人は、334人の調査人数中一人だけでありました。
その2
食品に栄養がなくなってきた。 2毛作2期作、農薬、化学肥料により土が弱くなっています。それにより植物が十分に栄養を吸えなくなってしまいました。 品種改良 文明の進歩が豊かさをもたらしました。
そこで、見栄えの良いもの、味や口当たりの良いものを追求していった結果、野菜の栄養成分が変化してしまいました。
にんじんはにんじん臭くなくなっているし、きゅうりはまっすぐで苦くない、ほうれん草は、根の赤いところが少ないですね。
食品成分表(科学技術庁資源調査会)の初版と四訂からその変化をみると、
可食部100gあたりビタミンAは、
初版 | 四訂 | ||
昭和25年 | 昭和57年 | ||
にんじん | 13500IU | 4100IU | 1/4に減少 |
かぼちゃ | 1000IU | 340IU | 1/3に減少 |
ほうれん草 | 8000IU | 1700IU | 1/4に減少 |
更に、ほうれん草では、
初版 | 四訂 | 夏場スーパー | ||
鉄分 | 13mg | 3.7mg | 1/4に減少 | 0.7mg |
ビタミンC | 150mg | 65mg | 1/2に減少 | 8mg |
食品成分表の測定値は、「旬、とれたて、生のもの」の値です。
これが、夏にスーパーで買ったほうれん草は、鉄分やビタミンCが減少しています。
これは品種改良により、この様になってしまったのです。うちは家庭菜園で作っているから、無農薬有機栽培だからといっても、残念ながら、種屋さんで売っている種が既にそうなっているので同じです。
他の食品も同様です。
それでは、しっかりビタミンAをとりましょうと言っても、今までの量の4倍のにんじんを食べられますか?
また、作物が採れてから口に入るまででも栄養素が減ってしまいます。
ビタミンCを例にとると
(流通) (一日店番) (30分加熱) (水にさらす)
産地----→お店----→ 台所 ----→ 調理 ----→口
残存量 100%----→50%----→30% ----→15% ----→5%
最終的には5%までにも減ってしまって殆ど体内に入りません。
と言うわけで、まるで、段ボールの紙に書いて色を塗った様な食べ物を食べていたんです。
だから、あまりおいしくないから調味料をたくさん使っているんです。
その3
ライフスタイルが変わってきた。
食生活の欧米化
アメリカでは、1977年にアメリカ上院栄養問題特別委員会(マクガバン委員長)が多くの調査をし、
成人病等の原因は食生活であると言うレポートを出しました。
日本人は、この事をあまり真剣に受け止めなかったんですね。
更に、ストレスがいっぱいの社会は現代人には避けられません。
ストレス回避にはビタミンCが不可欠ですが、前期のようにビタミンCはとりにくいビタミンです。
また、精神安定には、カルシウムが必要なのですが、日本人の多くの人がカルシウム不足であることは余りにも有名です。
その4
食品添加物の氾濫
各国で使用を許可されている、食品添加物の数は、
イギリス・・・・14種類
北欧・・・・・・・0種類
アメリカ・・・・140種類
日本・・・・・・350種類 驚き!!
日本は食品添加物天国。
リン酸化合物は食品を長持ちさせ綺麗に見せる働きが大きいのでよく使われています。
リンはカルシウムの吸収を妨げます。
「そんなことを言ったって、厚生省の国民栄養調査では、各栄養素の摂取量は、カルシウムを除いて必要所要量を満たしていると言っているじゃない。 私はちゃんと生きているし。」と言う人も多いと思います。
電球の話と、健康の話、で触れたように、だんだん元気がなくなってきているので分からないし、周りの人も、同じように元気がないので、気がつきにくいんですね。
寝起きが悪い。疲れが残る。いらいらする。夜眠れない事がある。頭が重い。食が進まない。肩が凝る。
心当たりがあるでしょう。
人口の30%以上の人が潜在的なビタミン・ミネラル不足。
ビタミン・ミネラルを気をつけてしっかりとっていると、元気100倍になるんです。
必要所要量とは何か。
健康な人が健康を維持するために必要な量として、目安や参考にされる量のことです。
原則的には欠乏症を防ぐ最低水準に、2割前後の安全率をかけたもの。
厚生省が足りていると言っているのは、食品成分表を基にした計算値での話で、収穫時期や流通過程、加工や調理で失われる分、体内への栄養素の吸収率の分は計算に入っていないんです。
また、砂糖や食品添加物の接種によるビタミンの過剰消費の分も計算に入っていないんですね。
加工や調理で失われる割合は、
ビタミンA20%
ビタミンB130%
ビタミンB2 25%
ビタミンC50%
共立女子大の稲垣先生によると、普通の生活をしていて注意しなければならないビタミンは、以下のようだそうです。
少し油断すると欠乏症になりやすいビタミン | A、B1、B2、C、D |
時々、欠乏症が起こるビタミン | B6、ナイアシン、葉酸、B12、E、K |
ダイエット等をしているときは、十分な注意が必要。
主なビタミンの働き
・ビタミンA
粘膜をや皮膚を強め、抵抗力を付け、風邪を防ぐ。不足すると夜盲症になる。
網膜で受けた刺激を神経に伝えるときにビタミンAを消費する。 癌予防に役立つ。
ビタミンAは小腸の脂肪吸収作用により80~90%吸収されるが、ビタミンAの前駆物質であるβカロチンは、吸収率が10%と低い。
しかし、これが油に溶けると、80%まであがる。βカロチンは緑黄色野菜に多く含まれるが、お浸しや煮物で食べるより、油と一緒に調理すると吸収されやすくなる。
また、ビタミンAは酸化に弱いので、ミキサーなどの空気と接触することの多い調理法はさけた方がよい。
ビタミンAは、脂溶性のビタミンで体内に留まりやすく大量に摂ると、胃や腸に変調をきたし下痢を起こす。
一日に30~40万IUを摂ったり、一日の必要量の50倍以上の量を何ヶ月も続けて摂ると、頭痛や吐き気が起こり、肝臓が腫れたりする。
一日5万~7万IUを一ヶ月以上とり続けると、慢性の過剰症となり手足の痛み、発疹、脱毛症を起こす。
ビタミン剤の無謀な摂取は避ける。
βカロチンは必要量だけビタミンAに変わるので、摂りすぎを注意する必要はない。
・ビタミンB
3っつの「ひ」 肥満、疲労、ヒステリーを防ぐ。 やる気のビタミン。
詳細には、
B1
疲労防止、疲労回復、スタミナ増進。糖分を分解してエネルギーにする。
B1が不足すると、糖質の分解が途中でストップし、エネルギーの生産がスムーズに行われなくなる。
また、中間代謝物である乳酸などの疲労素もどんどんたまってしまう。
脳や神経は、糖質から出るエネルギーを必要とすることから、ビタミンB1は、神経系の働きの維持や調整にも大きな役割を担っている。
B1は、熱、アルカリ、化学物質により分解されやすい。
B2
皮膚や粘膜を保護。(皮膚炎、口内の荒れ(口角炎、口内炎、舌炎)、ニキビ、肛門や膣の炎症を防ぐ)
糖質、脂質、蛋白質の代謝の仲立ちをする酵素を助ける働きをする。
特に脂肪の代謝を促進する(ダイエットには必須)。
肝臓の働きを強め、体内の毒物の解毒を促進する。細胞が毎日生まれ変わるときに必要となる。
熱や酸には強いが、アルカリや光により分解されてしまう。牛乳の中に多く含まれるが、透明な容器に牛乳を入れて放置しておくとB2の量が半分に減ってしまう。肉や乳製品、納豆に含まれるが含有量が少ないので不足しがち。
B6
蛋白質の代謝を促進。細胞の新陳代謝を促すことから、発育促進、各組織の修復作用、生殖機能の活性化、性欲の増進。抗生物質や経口避妊薬に対する解毒作用がある。
蕁麻疹、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性の病気を防ぐ。
不足すると、脂漏性皮膚炎、ふけ症、不眠症、口内の荒れ、月経異常。
B12
赤血球を作る。アミノ酸の代謝促進。B12が不足すると、ぼけの症状が出たり、神経が不安定となったり、貧血を起こす。植物の中には全く存在しないので、菜食主義者は欠乏しやすい。
ナイアシン 皮膚炎、下痢、精神障害の症状を呈するペラグラを防ぐ。
葉酸
発育の促進。
・ビタミンC
ストレス防止・解消。蛋白質と共にコラーゲンを作る。コラーゲンとは蛋白質の一種で、人間の体の蛋白質の1/3をしめている。
免疫力を強くする。(ウィルスや細菌の感染に対する抵抗力を強めるだけでなく、白血球やリンパ球の機能を高める。) 鉄分の吸収を良くする。
メラニン色素の沈着を抑える。抗酸化作用により成人病を予防する。
抗ストレス作用がある。(ストレスが大きくなると、人間の体は一般にホルモンの分泌量を増やすことで対処する。
特に、副腎皮質ホルモンの分泌量が増える。Cは、この副腎皮質ホルモンの製造に関与している。)
生体異物を解毒する。(肝臓の解毒酵素の活性化を促す)
・ビタミンD
カルシウムの吸収を良くする。紫外線に当たることによりビタミンDの体内で必要量の50%を作り出す。
・ビタミンE
老化防止(若返りのビタミン)。 血液循環を良くし、老化現象、脂肪の酸化、色素沈着を防ぐ。
血行促進により腰痛、関節痛、肩こり、冷え性、しもやけ、小じわを防ぐ。癌予防。
脂肪の代謝を促進するので、コレステロールを下げる。
善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)を減らす。抗酸化作用により、成人病を防ぐ。
植物の種等に多く含まれているため、体内にEの量が多くなると脳は、食物が豊富にあると感知して生殖機能を高める。
主なミネラルの働き
・カルシウム
精神安定。血液をアルカリ性にコントロールする。骨や歯を強くする。
缶コーヒー・ジュースには角砂糖5から6個分の砂糖、砂糖の吸収には多くのカルシウムを必要とする。
普通の牛乳 120度2秒の殺菌。これにより牛乳中のカルシウムが破壊されてしまいます。
日本人の体にとって、背骨のある動物のカルシウムより、背骨のない動物からのカルシウムの方が吸収率がよいのです。魚を骨まで食べていてもなかなか十分なカルシウムがとれません。
日本人の75%がカルシウム不足。
女性の場合、更年期になると、ホルモンバランスが崩れるため、体からカルシウムがどんどん流出してしまって、骨粗鬆症になってしまいます。ある値を下回ると、腰痛、骨折、入院、寝たきり。そして、床ずれ、ぼけ。
若い頃のカルシウムの蓄積量が多いと、ボーダーラインを下回るまでの時間が稼げます。私は年をとってしまっているから、もう遅すぎるかしら、諦める必要はありません。吸収の良い、カルシウムを補えば、まだ間に合います。
子供は、カルシウム不足でイライラ、母親がヒステリー、姑は意地悪ばあさん、父親は家にいるのがいやで、飲み過ぎ、酔っぱらって事故、とならないように気をつけましょう。
・鉄
タンパク質・ビタミンBと共に赤血球を作る。酸素の運搬ビタミンCにより吸収が促進される。
ビタミン・ミネラル以外の栄養素の働き
・ファイバー
腸内の清掃をします。腸内には、多い人で15kg、少ない人でも3kgと信じられないくらい多くの宿便が溜まっています。宿便は、腸の栄養の吸収を妨げるだけでなっくなく、宿便の中には発ガン物質も溜まります。
ファイバーを多くとると、腸の動きが活発になり、宿便を取り除くのに役立ちます。大腸ガンの予防になります。 脂肪を多くとると、胆嚢に貯めてある胆汁が出る。胆汁酸は脂肪の消化吸収に関与していますが、コールタールに含まれる発ガン物質のメチルコラントレンと構造式が似ています。胆汁酸の過剰がガンの発生を招きます。
また、脂肪を多くとる事により腸内細菌のバランスが崩れ、ガン発生に関与する細菌が増えるます。 ファイバーが過剰な胆汁酸を吸収して、便に含んで排出するためガン発生を抑制します。
食物のかさを増やすので、食品添加物、糖の吸収が穏やかになる。そこで、急激に血糖値が上がることが無くなり、インスリンを急いで分泌しなくても良くなるので膵臓の負担が減り、糖尿病の原因を一つ減らせる。
・プロテイン
細胞を作る。
8種類の必須アミノ酸は、体内で合成できないため、食物としてとる必要がある。バランスが重要。
バランスが悪いと、余分なものは、尿酸として排泄されてしまいます。
毎日体重の1/1000gを摂る必要がある。
不足すると、肌、爪、髪の毛に最初に症状が出やすい。
・レシチン
血液中のコレステロールの溶解 動脈硬化を防ぐ 細胞をよみがえらせ若さを保つ 神経伝達物質のアセチルコリンが増える。 ボケの予防に効く。 細胞膜の材料
食生活の改善は、どうすればよいか。
アメリカ乗員栄養問題特別委員会の食事改善目標
①デンプン質を現在のカロリーの46%から55~60%に引き上げる。
②脂肪分は現在のカロリーの40%から30%に減らす。
③動物脂肪と植物脂肪の摂取量は1対2の割合にする。
④コレステロールを1日300mgに減らす。
⑤砂糖消費は40%減らしてカロリーの15%までにする。
⑥塩の摂取は1日3mgにする。
⑦果物・野菜・穀物はなるべく未精製穀物(つまり米なら玄米、小麦なら全麦パン)や未加工な形でとる。
注 サラダ・オイルは植物油の白砂糖と言われるほど調整製油であるので取りすぎは大きな害を生む。
北欧三国連合医学調査会議
①緑黄色野菜・豆類を現在の2倍とる。
②果物は50%増やす。
③ジャガイモは25%増やし、他の根菜類は2倍にする。
④油脂類は25%減らす。
⑤砂糖・菓子類・清涼飲料は25%減らす。
⑥肉類はなるべく赤味にする。
日本の長寿村を調査した近藤博士によると
①菜食主義に偏らず、蛋白質は必要なだけとる。
②動物食が過剰になる食事は心臓病を招き、若死にを招く。
③デンプン質を穀類ばかりで摂らず、芋類を増やす。
芋類は、食物繊維を多く含み、早く満腹感を起こさせるので、カロリーの摂りすぎを防ぐ。
④野菜は様々な種類のものを十分に摂る。
⑤穀類も米偏重でなく他種類の方がよい。
注 魚類は大衆魚や小魚を多く摂る。
野菜は緑黄色野菜を重視しつつ、それ以外の野菜も多く摂る。1日500g程度。
これがらを実践するのが面倒な人は、ビタミン剤や栄養補給食品を使うと良いでしょう。
ビタミン剤は薬であるので、副作用があることに注意。
栄養補給食品は、食物を濃縮したものであるので、原料や、製造方法等に注意して選びましょう。 栄養学に基づいて作られているものだと安心です。