人間の体の60~70%は水である。
人間は一日に約2.5リットルの水を出し入れしている。
補給は、
飲料水として約1.2リットル、
食物に含まれている水分として約1リットル、
体内の生化学反応の代謝物として0.3リットル。
排出は、
オシッコとして約1.5リットル、
皮膚や肺などからの蒸発分として0.9リットル、
大便の水分として0.1リットルである。
水のもつ9つの薬効
鎮静剤、強壮剤(生体の酵素の働きを助ける)、利尿剤、発汗剤、新陳代謝の促進剤、下剤、希釈剤(毒や塩分を薄める)、解熱剤(発汗の促進)、催眠剤(心を落ちつかせる)(川畑京大名誉教授)
もっとたくさんの水を飲もう。
一日2リットル程度飲むと健康によいです。。
新鮮な水は体内をくまなく流動し、体内の清掃、浄化をし、老化を予防してくれる。
また老廃物を対外に運搬してくれる。
体全体の健全な新陳代謝をはかり、それを調整する。
おいしい水と安全な水とは違う。
水道の蛇口からでてくる水は、どんな水だろうか。透き通っているからと言って、元々きれいな川の水や、地中深くを流れている水を集めて水道管で送っている訳ではない。
東京では、荒川、多摩川、江戸川、大阪では淀川等の上流ではなく下流、殆ど都内や、府内の部分で取水している。これらの水は、そのままでは、決して口にしようなどという勇気は起きない。それを、浄水場できれいにして送っている。
急速濾過システム
浄水場の殆どは、急速濾過システムという浄水方法を用いているが、細菌や濁りや油分はとれるが、化学物質や洗剤やプランクトン、臭いはとれにくい。 伝染病などの病原菌を抑えるために、塩素で殺菌している。塩素濃度の規格は0.1ppmとなっているが、水源の水が汚くなると塩素の量を増やしている。
水をまずくするもの
今年は、水不足の年になるでしょうか。
そうすると汚い水までも使わなければならないため塩素がたくさん使われている。
水をまずくするもの、塩素の量が多いと水がまずくなる。しかし、飲んでいるうちにその味に慣れてしまう。
塩素を入れて、病原菌などに対しては安全になったが、そのために、水道管がさびやすくなった。錆も水をまずくする。 下水道普及率は、都市部では、80%程度普及しているが、地方では半分以下。垂れ流しのところも多い。
これらの下水は、川に流されている。そこで、川が汚れ、プランクトンや藻が増えたり、川の水が臭くなる。これを、下流の水源としている。これも水がまずい原因の一つ。
水の消費量
現在の水の消費量は、一日、一人あたり400リットル。飲用には、2リットル程度。水道局はなぜか独立採算性をとっている。湯水のように使うと言われているように、水は安いものという概念がある。飲用の水と、それ以外の水の量の日が余りにもかけ離れているので、水道局としては、水をきれいにするためにあまり多くのお金をかけられない。
水の旅
雨が山に降って、長い時間をかけて川に出る。本来なら、山の水きれいでおいしいというところなのだが。安心はできない。
ごみの捨て場所に困っている現代。
山の中というのは格好の捨て場所。環境庁は、シュレッダーダストを捨てるときには、防水シートを敷かなければ、山の中に捨ててはいけないと言う条例を出した。今までは、そのまま捨てても良かったわけである。
シュレッダーダストというのは、車などのごみを細かく刻んだもの。その中には、バッテリーの鉛があったり、電池の水銀があったり、コンデンサーのPCBがあったりする。それらが流れ出して環境を汚している。
山を越えて奥に入っていくと、また山という場合だけでなく、今では、工場や集落があることが多い。そこでの排水は、川に捨てられている。
山の麓には、ゴルフ場が多い。六甲山付近は多くのゴルフ場があるので有名である。木を切り倒して芝を植えたことで、水分保持料は四分の一程度になってしまったそうである。その芝生の雑草を取るために、多くの農薬が使われている。
ゴルフ場は、通産省の管轄で、農家で使われている農薬より強力で、分解されにくいものが大量に使われている。朝早くゴルフ場に行ったときは、ああ空気がうまいと言って深呼吸をすると、大量の農薬を吸い込んでいることになるほどだそうだ。海外では、二日続けてプレーした人の中に死者が出たほどである。
郊外には、工場がたくさんある。半導体工場などでは、洗浄にトリクロロエチレン等が使われている。これには、発ガン作用があり、近くのわき水から、検出されたところもある。クリーニング店が洗濯に使っているのがテトラクロロエチレン。これが川や水道水中に検出されたこともある。
田畑では、多くの農薬が使われている。お茶には害虫が多くつくので、農薬をたくさん使う。お茶好きの人には、胆嚢ガンになる人が多い。農業離れが激しく、昔行われていた「田の草取り」などは現在できない状態になっているそうだ。
農家には、農薬暦と言うものがある。田植えをするときから農薬を入れている。稲から農薬が出なければ良いと言うことで、たんぼに撒かれた農薬は、川の中。 日本の農薬使用量は、アメリカの約5倍。日本13.1kg/ha。アメリカ2.5kg/ha。日本は世界一の農薬使用国。CNPという農薬の成分が、各地で検出されたという報道があった。農薬には、発ガン物質が多い。農薬の害が表面化してきている。
振興住宅地が郊外に多くできている。家の大敵は白蟻。白蟻駆除剤は5年から10年効力を発揮するものが多い。「うちの方は井戸水だから」といっても安全だとは限らない。
都市部に入ると、家庭から出る雑排水が問題となる。
醤油を小皿一杯川に捨てると、魚が住めるまでにするのに風呂の浴槽にして1.5杯分の水が必要となる。米のとぎ汁2リットルでは浴槽4杯分の水(1200リットル)が必要となる。てんぷら油500ccでは、なんと333杯の水が必要となる。そんなに風呂に入っていられないので、川や湖、沼の水の富栄養化がおこり、藻やプランクトンが大量発生する。川の水の酸素が減り、川を浄化していた、微生物が死滅する。
こんな水が、浄水場に入る。大量の水を供給しなければならないために、急速濾過システムが多く用いられている。浄水場で使われた塩素と、水の中の有機物(プランクトン、藻、雑排水)が混ざると、トリハロメタンができる。トリハロメタンの中で代表的なものがクロロホルム。クロロホルムは昔、麻酔薬として使われていたが、発ガン性が問題となり使用禁止になった。
塩素系の化合物は発ガン物質が多い。
DDTやベトナム戦争で枯れ葉剤として使われたダイオキシンも塩素系化合物。また、紙の漂白に塩素が多く用いられるため製紙工場の近くでもダイオキシンが多く検出されている。
トリハロメタンの入っている水を飲んでいると10万人一人の割合でガンになると言われていた。今では、トリハロメタンの量が増えたのでその割合は、数倍になっているようだ。他の原因も含め、発ガン率は、10万人に200人程度であるから、ガン患者の1から2%は水が原因と言うことになる。
浄水場から出た水は、本管を流れてくる。本管の材質は、鉄が多い。その本管が錆だらけとなっている。昭和35年くらいまで、本管には、コンクリート管の内側にアスベストを塗ったものが用いられていた。今でも、20%の水道管はアスベストが使われている。水道水1リットル中に100万本のアスベストの針が入っている。1年間で17億本になる。
アスベストとは、石綿と呼ばれ、酸やアルカリ、熱に強い。これが細かく割れ水道水中に広がる。4000から5000分の一ミリの目に見えないほどの小さな針。これが細胞に刺さり、ガンを引き起こすこともある。
本管から蛇口まで、今では塩化ビニルのパイプが使われているが、鉛の水道管が使われていた場合もある。鉛の害は、中枢神経を冒したり下痢を引き起こしたりする。本管から家までは土地の所有者に責任がある。鉛のパイプを取り替えるのに40から50万円かかる。新聞に出ていたが、この工事に厚生省が補助金を出すそうである。そこまで、事態は深刻になっている。
アパートやマンション、高層住宅の場合 受水槽が危ない。 受水槽は1年に1度清掃をしても、2cm程度の赤錆やヘドロのような沈殿物がたまっている。受水槽を設置しているビルは、全国で80万カ所あるが、その中で定期的な清掃を義務づけられているのは全体の2割。後は野放し状態。管理者にゆだねられている。