この本によると、
米国ペンシルバニア大学教授のアンドリュー・ニューバーグ博士の研究から、深い瞑想時に、瞑想者の脳に起こっていることが確認できました。
脳の頭頂葉の後方領域に「方向定位連合野」があります。
この領域は、外部から感覚器官を通して入ってくる大量の情報を使って、物理的空間の中で、自分自身の位置づけをしています。
方向定位連合野は、私達が、自分の回りの空間の中で、どこにどの様な向きや傾きでいるかなどを意識している部分であり、自分と他者の境界を認識する部分なのです。
深い瞑想時、感覚器官通して外部からの情報入力が極端に低下した場合、感覚器官からの情報入力がなくなり「方向定位連合野」は、自己と外部との境界を見つけられなくなります。
すると、「自己と外界との区別は存在しない」という感覚を生み出し、自己が無限であり、全ての人や、全てのものと密接に繋がっていると判断することになります。
それが、自己と宇宙とが一体になったり、神と対面したりという神秘的体験を産んでいると、ニューバーグ博士は想定しています。
瞑想によって、視床下部でオキシトシンが分泌されると、それが頭頂葉の「方向定位連合野」働きかけ、その活動レベルを低下させます。
これによって、自己と他者の境界がなくなる感覚になるのです。
この時、オキシトシンは、「中脳水道周囲灰白質」に作用して、オピオイドを分泌させます。
オピオイドという神経伝達物質には、鎮痛作用が有り、痛みを感じにくくします。
また、オキシトシンは、ドーパミンの遊離を促進させ、多幸感をもたらします。
深い瞑想がもたらす無我の境地は、自己と他の区別がなくなり「我」がなくなり、
オピオイドとドーパミンの作用で、強い多幸感を感じるのです。
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