「胎児から」

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「瞑想と退行催眠」 第２８号
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ２００４年３月２日発行
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目次
　 １，今回のトピックス　「胎児から」　
　 ２、アドバンスセミナー　「高次の光をチャネル」
　 ３，「ライトボディの覚醒化」の瞑想セミナーのお知らせ
　 ４，退行催眠療法のお知らせ
　 ５，催眠療法「単回コース」新設のお知らせ
　 ６，ホームページ全面リニューアルのお知らせ　←★
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　◆◆◆　１、今回のトピックス　「胎児から」　◆◆◆
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前号までの「恋愛の特効薬」が効いてくると、子供が生まれてきま
すね。子供が生まれる前に知っておかねばならない事ってたくさん
あります。

（長文なので多忙な方はプリントアウトしてじっくり読んでくださ
いね。）

その中でも最も重要なのが、子供の性格は紛れもなく両親が作って
いると言うこと。更に、子供の性格は胎児の頃から形成が始まると
言うことです。

ソニーの創立者の故・井深大　翁は、１９６９年に財団法人幼児開
発協会を下記のような趣旨で設立しました。
http://www.sony-ef.or.jp/

・母と子の絆は人間関係の第一歩であり、その関わりはお腹の中か
ら始まっている
・子どもにとって誰よりも大きい影響力を持つのは、お母さん
・言葉が出る以前の時期こそ大切

そして、この趣旨に賛同して頂けるお母さんには、母親研究員にな
っていただいたり、親子のための「ペア・スクール」などの活動を行
なってきました。
２００４年３月にこの財団の活動が収束します。残念です。

井深翁は、また、多くの著書を残してきました。今回は、上記の財
団を通じて感じられた内容を綴った「胎児から」（徳間文庫）を紹
介しましょう。直接の引用部分は「」で示しています。

【「はじめに」の部分から】

「私たちはよく『持って生まれた』才能や性格といった言い方をし
ます。しかしそれは決して遺伝によって、才能や性格の全てが決定
されると言うことではない。『持って生まれた』とは、すなわち『胎
内において形成された』という意味に他ならないのです」

と書いてあります。一般的に、我々は現在の自分が抱えている問題
の解決方法を考える時に、会社の上司や部下、取引先、夫や妻、恋
人や友人がどうのとか身近な所に原因を探しに行ってしまいます。
でも、そこは原因ではなくて、結果なのです。原因は、もっと昔、
お母さんの胎内にいた頃から形成されているのです。

【催眠療法について　＊誕生を記憶する子供達】

井深翁が伝える催眠観です。

「臨床催眠学による心理療法の現場から、デーヴィット・チェンバ
レンは誕生時の記憶についての収集を意欲的に行い、『誕生を記憶
するこどもたち』と題して、様々な臨床例を報告しています。」

「催眠術による心理療法というと日本ではまだなじみが薄いようで
すが、アメリカでは１９５８年から医療手段の方法の一つとして正
式に認められており、精神医学やスポーツ医学などの分野で頻繁に
使用されています。」

「チェンバレンは催眠療法の専門家であり、治療の過程で患者達が
非常にしばしば出生児の記憶を口にする場面に遭遇したことから、
胎児・新生児の研究に取り組むようになったと言います。」

として、この後のページで、出産時の記憶について記述しています。
催眠館ラディアンスでも「標準コース」の８回目の「今世の目的」
の時に感じて頂いています。

【胎内教育でＩＱの高い子供に育てる】

「米オハイオ州に住むある一家の四人の姉妹全員がＩＱ１６０以上、
全米の知能指数分布の上位５％の中に入る『超天才児』」というこ
とが報道されました。母親は日本人ということもあって井深翁も会
いに行ったそうです。

でも、その両親は「特に秀でたＩＱの持ち主ではない」ただ「子供
は胎児の時から教育すれば、必ず優れた人間に育つ」という信念を
持っていたのだそうです。そして、「最初の子を妊娠した時から、
早速『胎内教育』」を始めたのだそうです。

その胎内教育というのは、
「花を見かけたら『まあ、なんて綺麗な花なんでしょう』とお腹の
赤ちゃんに話しかけたり、自分も赤ちゃんも気持ちが良くなるよう
な音楽を一緒に聴いたり、歌を歌ったりして、毎日を優しい気分で
過ごせるようにしたということです。」

特に意識的に心がけたのは、
「お腹の赤ちゃんと『お話』をすることでした。毎日の天気の具合
から花や木の名前、小鳥や動物の姿かたち、時にはアルファベット
や数字の数え方など、とにかく日常の細々したことまで含めて、で
きるだけ沢山の『お話』を語りかけました」

ここで重要なことは、両親のＩＱは特に高くはないのに、この方法
で４人姉妹が全員ＩＱ１６０以上になったということです。

「母と子のより強い『こころのきずな』はお母さん自身の幸福感か
ら生まれる自信と、赤ちゃんへの無限の愛情によって、築かれる」
のだそうです。催眠療法を通じても両親の愛情をしっかり受けて育
った方は自信に満ち幸福な人生を過ごしています。

 

【全ての胎児は母親の影響を受ける】

本文の胎児の成長の様子を要約すると以下のようになります。

＊妊娠１０日後、肉眼でやっと見えるくらいの小さな細胞集団とな
る。
＊７週後、大きさ１ｃｍ、頭部、背部、尾部の区別が付き、心臓の
動きもはっきり分かる。神経系統の器官形成終了。外界の刺激に反
応。
＊１０週後、脳や目や肝臓や耳などの機能が発達。脳を除く体の仕
組みができ、基本的な人間としての構造を完成させる。頭からおし
りまでの長さ（頭殿長）は約４ｃｍ。羊水の中を動き回る。手足を
活発に動かす。触覚・皮膚感覚は１歳児と同じ程度に発達。
＊１６週後、頭殿長は約１６ｃｍ。脳の発達が著しい。味覚の好み
を持つ。痛い、かゆい、触れる、熱い、冷たいという感覚を身につ
ける。
＊２０週前後、聴覚が発達。耳を澄ませ内外の音に関心を持つ。三
半規管が機能し始める。記憶や判断をする側頭葉、意欲や想像の場
である前頭葉のもとができる。
＊３０週前後、体重が急激に増える。お母さんの行動を察知し、日
常生活のパターンに会わせてくれる。「脳関門」は未発達なので、
母親が飲食したもの吸ったものは全てへその緒を通って脳に到達。
母親が飲んだアルコールの害は甚大で、知恵遅れや頭部奇形にも繋
がる恐れあり。

妊娠中の薬の害は周知のことですが、お腹の中の胎児がこんなにも
人間らしいとは、しばらく前まで専門家も気づいていなかったのだ
そうです。

 

【超音波診断像から】

産婦人科医の話だそうです。超音波診断装置を使って母親と一緒に
胎児の様子を観察していると以下の様なことが分かるそうです。

＊妊娠三ヶ月頃でも、胎児の超音波診断像を見せられたお母さんが、
感動していると、お母さんの感情の動きに連れて、胎児ものびのび
と活発な動きをしているのを観察できます。
＊中絶を考えたり、妊娠を喜んでいない母の胎児は形こそ正常を保
っているが、じっと縮こまって動きが鈍く、動いても妙な形でビク
ビクしているように観察されるそうです。

 

【胎児の記憶実験】

井深翁が参加した実験の概要です。

＊実験１
前日に生まれた新生児を寝かせたベッドの両側に母親と看護婦が腰
を下ろします。そして、代わる代わる声をかける事を繰り返すと、
赤ちゃんはふっと気が付いたように、声のする方向に顔を向けます。

でも、それは母親が呼びかけた方向のみで、看護婦さんの呼びかけ
の方向には向かなかったそうです。何人もの赤ちゃんに対して行っ
ても、結果は全て同じでした。
お母さんが小声で、看護婦さんが大声で呼びかけても、お母さんが
呼びかけたときその方向を向きます。

＊実験２
上記の実験に、コンピュータ合成した母の声を使うと、関心を示さ
ないばかりか不快感を示したそうでです。

＊実験３
新生児に母親の心臓の音や、子宮内の雑多な音を聞かせると、それ
まで泣き叫んでいても、急におとなしくなり、安心して寝入ってし
まう。これはよく知られています。

＊実験４
小林一茶の俳句の一節を録音したテープを出産前６週前後の母親
に、毎日２回、一回３分聞いてもらう。
生後２日から６日の間の新生児で、胎内にいる時に一茶の俳句を聞
かされた子と、全く聞かされなかった子を並べ、最初に一茶のその
俳句のテープ、次に別の俳句を録音したテープ、最後に普通の話し
声を録音したテープを聴かせ、赤ちゃんの心拍数を測定する。

すると、別の俳句を録音したテープが流れた途端、心拍数が大きく
変化したそうです。それは、５７５のリズムは同じで、聞いたこと
があるようなんだけど、何か違うといった反応のようだったそうで
す。

ここで、更に井深翁が強調しているのは、新生児が持っているこれ
らの能力は、お母さんのお腹から出てきてから備わったのではなく、
お腹の中にいた頃の胎児の時にも存在しているのだと言うことで
す。お母さんの影響は甚大ですね。

 

【母親の精神状態からの影響】

こんな記述もありました。

「母親の精神的安定を脅かす強いストレスが胎児にどのような影響
を及ぼすかについて、ある学者は次のような調査データーを報告し
ています－－それが、日常的に続いたり、いつ又おそわれるか分か
らないと言ったものであり、あるいはどうにも解決不可能だといっ
た強いストレスに長い間さらされた母親は、１４人中１０人までが
肉体的または精神的な問題を抱えた子供を産んでいる」

「母親の精神が不安定な状態にある時、胎児も又不安定な反応を示
すことについて、今日の科学は次のような説明を付けます。すなわ
ち、人間や動物は不安や恐怖に襲われると、生理的反応としてある
種の特別なホルモンを分泌する。母親によって分泌されたそうした
ホルモンが胎盤を通して胎児へと流れ込むと、胎児もまた、母親と
同様の不安や恐怖の反応を示す。」

「お母さんが哀しみにうちひしがれていると、お腹の赤ちゃんは、
自分を包む世界が哀しみの色に染まったと感じて、哀しくなるので
す。同様に赤ちゃんは、お母さんの気持ち一つで喜びや苦しみや憎
しみの色に染まり、お母さんと同じ気持ちを共有します。」

「１９４４年、４５年にベルリンに生まれた子供には、圧倒的にホ
モセクシャルが多いという統計があるそうです。第二次世界大戦末
期、ベルリンは連日の大爆撃にさらされ、連合軍によって占拠され
ましたが、そうした生きるか死ぬかの瀬戸際で、沢山の母親達が深
刻なストレスを受けました。
　 その時、胎内にいた男の子が、ストレスの影響でホモになったと
いうのです。お腹の赤ちゃんが男の子であれば、妊娠３ヶ月から６
ヶ月のあたりで、赤ちゃんは自ら非常に多くの男性ホルモンを出す
ことによって、自分自身の脳を男性化します。ところがこの時期に
母親が強いストレスを受けたりすると、男性ホルモンが十分に出さ
れず、女性に傾斜した脳を持った男の子が生まれる。」

 

【母親の本物の愛情が胎児を守る】

妊娠中の離婚や、その他深刻なストレスが母親を襲っても胎児は必
ずしも悪影響を受けると言うことではないことを、次のように伝え
ています。

「胎児はまぎれもなく母親の考えていること、感じていることを察
知します。母親が嬉しければ胎児も嬉しいように、母親が苦しい時
には、胎児もその苦しみを共有します。」

「しかし、どれほどつらい状況にあろうと、母親のわが子に対する
愛情が深ければ、胎児は決して致命的な不安や恐慌に陥ることなく、
その状況を耐えしのんでいくことができる。母親の愛情を楯として、
外部のストレスから身を守ることができるのです。」

「だがそれはむろん、本物の愛情でなければなりません。見せかけ
の愛情で胎児をあざむくことはできないし、気まぐれや中途半端な
愛情は、胎児を混乱させるだけです。」

「これはまた別の報告ですが、日ごろから口では愛情を語りかけな
がら、心の底のどこかに子供を望まない気持ちが根強く横たわって
いる母親の場合、生まれた子供の多くが無気力で感受性に乏しかっ
たという調査結果もあります。報告者はこうした結果について、言
葉による愛情表現と、それとは裏腹な冷淡な心情という相反するメ
ッセージを受け取るため、胎児の精神が混乱してしまうからだろう
と結論づけています。」

「胎児にはものごとを記憶し、学習し、考え、理解する能力がある
のだという事実がわかってもらえれば十分なのです。」

 

【暗黙知と明証知】

「人間が持っている知恵には、『暗黙知』と呼ばれる部分と『明証
知』と呼ばれる部分がある。『明証知』というのは顕在的な知とい
う意味で、言葉にできる、あるいは言葉にしやすい知恵です。
　 これに対して『暗黙知』は潜在的な知、言葉にできない、あるい
はできにくい知恵。たとえば訓練と経験によって培われた技芸やス
ポーツの技。その達の名人の技というものは言葉で伝えて会得でき
るものではありません。やはり名人と同じような修業の積み重ねか
ら、知らず知らずのうちに体得していくしかない。これが『暗黙知』。
　 最も明証的であるはずの言葉は、実は言葉にできにくい知恵『暗
黙知』の中から芽生えてくるものなのです。」

幼児が言葉をしゃべり出すずいぶん前から、「暗黙知」の部分が蓄
積されていっているので、言葉の理解ができるのだそうです。性格
や行動パターンも同じように蓄積されているのです。

 

【母と子のスーパー・コミュニケーション】

「母と子のきずなの強念、深さを示す興味深い実験として幼児開発
協会が行っているいま一つの試みに、『マミー・キャッチング』と
いうゲームがあります。」

「これは二歳児と三歳児について、協会の一年間のプロブラムを終
えた後、いわば終業式を前に母子そろって楽しく遊びましょうとい
うことで始めた企画です。広い教室の片側にお母さんたちが適当に
並び、反対側のの隅に目隠しをした子供たちが並ぶ。そして『よー
い、ドン』の合図で、子供たちが一斉にお母さんをつかまえに行く
というゲームです。」

「教室には子供とお母さんだけでなく、先生方やカメラマンなど、
かなり大勢の人がいます。そんな中を、合図と同特に目隠し方れた
子供たちが走って行く。真っすぐ走る子もいるし、初めはまるで方
向違いへ走り出してしまう子もいます。しかし子供たち全員が、五
秒とたたないうちに、間違いなく自分のお母さんのところへ行き着
きます。」

「実際、いちばん最初の実験の時には、あまりにも完璧なその結果
に、先生もお母さんたちもしばし茫然としてしまいました。」

「私たちは、こうした母と子のきずなが、生まれた後につくられる
のではなく、赤ちゃんが母親の胎内にいるうちから形成されるもの
であることを、すでにこれまで見てきたいくつもの事例によって知
っています。」

「性格や気性、知的能力や芸術的才能など、人の一生を左右するき
わめて大きな部分が、『胎内に始まって誕生後半年内外のうちに決
定されてしまう』といっても過言ではないのです。」

「胎内でのきずなは、放っておいても自動的に形成されるというも
のではありません。それは、胎児が高度な意識と能力を待った存在
であり、「心ある者」であることを理解した上での母親の無限の愛
情と、積極的な働きかけによってのみ築かれるものです。」

「母と子のコミュニケーション・チャンネルとは、取りも直さず両
者の「心と心の回路」です。そしてこの回路を通じてあらゆる「心」
の産物－喜び、哀しみ、怒り、不安、不満、感動、落胆等－が交感
される。」

「ただ誤解してはならないのは、母と子の心の回路を通じて、最も
頻繁に交感されるべきは愛情です。」

「たとえ深刻きわまりないストレスを母親が抱えていても、心の回
路が愛情で満たされているかぎり、胎児はその愛情を楯として身を
守る術を知っています。」

 

今回も長くなってしまいましたが如何でしたでしょうか？

人間の能力や性格は、胎児の頃に形成されてしまうのです。井深翁
は最初「幼稚園では遅すぎる」という本を出版、そして、「０歳か
らの母親作戦」を出版し、ついには「胎児から」になりました。

つまりは、子供を作るときまでに、上記のことをよく知り、適切な
子育てができるよう自分自身の心を催眠や瞑想を通じて十分に癒し
ておく必要があるのです。
親としての責任ですね。

すでに胎児期を過ぎてしまった我々は、自分自身の能力や性格を改
善したいと思ったら、胎児期以前まで意識を戻せる催眠や瞑想を利
用すればいいわけです。

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発行者：催眠館ラディアンス
　 代表　山崎靖夫
mail：　info@radiance.gr.jp